キガリから南西へ2時間ほどバスで走った街ブタレ。
そこからギゴンゴロへバスで30分、そしてバイクタクシーで3km行った所にある
ムランビのジェノサイドメモリアル。
ここは大量虐殺の現場となった学校があり
今も死体がミイラとして残されていた。
教室は何個もあって、ひとつひとつ入っていく。
防腐剤が使われているようだが、臭いもする。
見てすぐに子供と分かる小さい亡骸。
どのようにして殺害されたのか?銃やガスかと?
スタッフに聞いたところ
「ほとんどナイフで殺された」
とのこと。
虐殺の時に主な武器として使われた
マチェーテと言われる刃物やクワなどの農耕具は
先日、ウガンダの子供たちと一緒に自分も使っていたものなので、
とてもリアルに恐ろしく感じた。
あの道具で人を殺せてしまう
しかもこんなに多くの人を
ひとりずつ
途中、吐き気がしてもう止めようかと思ったけど
この過ちを繰り返さないということを誓いながら
全ての教室を回った。
外にはフツ族を支援していたとされるフランス軍が
虐殺中にバレーボールをして遊んでいた場所、なども印されていた。
このような経緯から
ルワンダはもともとフランス語圏だったが、
英語圏への切り替えを進めている。
NHKのドキュメンタリー
『なぜ隣人を殺したか~ルワンダ虐殺と扇動ラジオ』では犠牲者80万人。
容疑者として捕らえられているフツ族は13万人。
この虐殺にはラジオの煽動報道があったと伝えている。
ツチ敵視政策を進めていたハビャリマナ大統領の乗った飛行機が墜落。
それが起こることを知っていたかのようなラジオ放送の予告。
その後、ラジオ放送は、ツチ族が犯人であると断定し
執拗にツチ族を殺すように煽動する。
今まで同じ村で暮らしてきた
隣人を殺すことになる。
ツチ族をかくまうフツ族も狙われる。
殺すか殺されるか。
いつかの日本と同じ状況。
もちろん、ラジオの煽動報道だけが
虐殺の原因ではない。
ただし、大量虐殺へと導いたのは
情報操作の力が大きいように思う。
今でも情報をコントロールしている国は危うい。
限られた情報の中で個人の判断を迫られることになる。
結局は個人の判断の積み重ねが
大きな過ちを生みだしてしまう。
ただ、ルワンダの大量虐殺が起きた状況でも、
加害者にならない人がいる。
ツチ族をかくまい、
自身も生き残った人がいる。
人としての倫理観を持った人。
わずか5%しかいなかったとしたら
自分自身にも問う
僕らの共通課題